店を出ればセンチメンタルな気分

学生時分のねぐらたるアパートの近くにある洋食処へ、長らくご無沙汰していたけれどもお伺いした。なあ名古屋の子が来てくれたでと迎えてくれたおばちゃんは、改めて四方山話に興じていると黒柳徹子に似ていると思った。厨房で黙々と調理なさるおっちゃんは…

台湾逍遥の記

昭和14年の秋、内田百閒が勤め先である日本郵船所有の大和丸に乗船し、神戸を出港、台湾本島の基隆へ上陸するまでには、4日を要したという。中部国際空港、台湾桃園国際空港間はたった3時間のフライトだから、航海上の百閒よろしく「ぼんやり」の贅沢さ…

風の海峡を歩いた日

海底トンネルを潜り抜けると下関。会食ではみな酩酊いちじるしく、パナマ運河式閘門が云々、宝塚歌劇の公演といえば云々、「中学生日記」は東野英心で云々、めいめい好き勝手なお喋りにふけって、その場のスナップ写真すら撮り忘れている始末。翌朝は唐戸市…